Episode 17 その男、亘鍋 圭一朗(山田錦栽培・醸造担当)
引き続き名古屋の蔵を拠点にしながら黒田庄での米造りに携わる醸し人を紹介していきます。
彼は昨年、3年程過ごしたフランスから戻ってきました。彼がブルゴーニュで得た知識、経験によって蔵内には新しい風が吹き込まれ始めています。
亘鍋圭一朗(1989年生まれ)
もともと酒屋で働いていた私が酒造りに携わりたいと思ったのは”矛盾”から始まりました。
その矛盾は「このお酒美味しいですよ~」なんてお客様に説明をしているうちに、心の奥底では『私はこのお酒の何を知っているというんだ』という後ろめたさからです。
美味い酒を飲んだ時の感激は万人共通のものです。
それをイチ販売人の私が、さも自分が産み出したかのように説明するおこがましさに、もどかしさを感じておりました。
”自分の産み出したモノで、人様に喜んで頂きたい”
この欲求こそが今の私を日本酒造りという場に留めている理由に他なりません。
約3年、フランスはブルゴーニュのモレ・サン・ドニ村で勉強させて頂きました。
ワイン造りに携わる人は、みんな畑やブドウの話をしています。
ワインという醸造酒の味はブドウで決まる。
ならば当然、日本酒という醸造酒もまた、米で決まります。
米作りから始めることにより、酒造りもフランスワインのように世界から美味いと認められる舞台に立てると確信しております。
醸し人九平次は日本一美味い?
まだ足りません。
全然足りません。
まだまだこんなものではない、もっともっと美味い日本酒を皆様にお愉しみ頂けるその日まで、愚直に努力して参ります。
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