Episode 48　2020ヴィンテージ(1)

2020年の田圃での出来事を振り返っていきます。6月、圃場の準備は順調に進み田植えも滞りなく終えることが出来ました。

しかしながら、近畿地方では統計以来過去三番目に遅い梅雨明け（7月31日）となりました。

7月は山田錦にとっては成長の時期です。それが長雨による日照不足のため思うように成長が出来ませんでした。

８月には本来であれば体は出来上がり、種子を残すために体に栄養を溜める時期となるはずが長雨の影響でまだ体を作ろうとしました。そのため穂への栄養を充分に体に溜めることが出来ません。下旬には出穂を迎えるのですが、このタイミングで７月の日照不足を取り戻すかのような晴天が続きました。日中高温が続くと夜気温が下がらず熱帯夜となります。これでは山田錦は夜休むことが出来ず体力を消耗してしまい実へ充分な栄養が届かなくなります。9月に入っても熱帯夜は続き、最後まで長雨の影響を受けることになりました。（続）