Episode 6 なぜワイングラスなのか
前回に引き続き酒器の話になりますが、お付き合いください。
一般的に日本の酒器と言えば「陶器の徳利・お猪口」などを思い浮かべるかと思います。
日本の酒器とワイングラスで何が違うのでしょうか?
まずは日本の酒器。
そのサイズですが、猪口はそれこそ親指と人差し指で掴めるぐらいの大きさです。
徳利と猪口でお酒を飲む場面を想像してみてください。
まず徳利で猪口にお酒を注ぎます。やっぱりなみなみと注ぎませんか?
そうなると、人はお酒をこぼしたくないので、自然にクチを酒器の方に近づけてしまいますよね。
そうすると、クチから首の部分が前かがみになり、上半身が萎縮してしまい、本来、感じるはずの味、香りを感じなくなってしまうのです。
昔のお酒は味・香りの要素が今よりも少なかったと想像します。ある意味、お猪口は適した器でした。
一方でワイングラスには、持ち手(ステム)が付いています。
またお酒をたくさん注ぎませんし、グラスの中(ボウル)に香が溜まる様にその構造が考えられています。
そして実は下唇に当たる感覚は、日本酒の中味に非常に大きな影響を与えます。
ワイングラスは、陶器製の酒器より厚みが薄く、繊細に仕上がっています。
そうすると人も味、香りともに繊細な部分を感じ易くなります。
飲み方もまた然り、ワイングラスはステムを持ち飲むことで、顎からクチが上を向き、首が伸びます。
そうすることで、鼻・クチ・喉に掛けてが一本の真っ直ぐな線になり人間本来の機能が最大に生かされ、皆様が感じるセンサーが増幅されるのです。
結果、香り・味わいを豊かにお楽しみいただくのためにはワイングラスが適していると感じています。
ですから、弊社は、日本酒をワイングラスで、お召し上がりいただきたいのです。
- 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。
- スペースキーを押してから矢印キーを押して選択します。