Episode 1 なぜ米を自ら育てるのか
醸し人九平次にとって「彼の岸」とは何か?
「彼の岸」は私たちと田んぼの出会いから始まります。
そもそもなぜ米を自ら育てるのか。
何故日本酒を醸す私たちが米を育てるのか。
それはその年の米を知らなければ、その米から醸した酒を語れないからです。
「この年はこんな気象条件で、こういう出来の米になり、元々この米はこういうテロワールとしての特徴があるので、こんな特徴のある日本酒になりました。」
と言ったように。
2006年フランスにて思い知らされたことです。ワインはブドウから語りはじめます。
当然それは私たちの日本酒にも当てはまりました。
「どんな原料で作っているんだ?」
「どこで育てているんだ?」
表層的な答えしか出来ませんでした。
私たちは日本酒のことを原料である米から知らなければ、世界では通用しないと実感しました。
世界に飛び込んだ時点で、ワインとの対比は避けられませんでした。
自分たちが原料として使う米、その米を自ら育てずして日本酒を語ることは出来ない。
だからこそ、米を育てはじめるのです。
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