Episode 10 その男、金子敦司〈山田錦栽培・醸造責任者〉(1)
ここからは黒田庄にて理想の米を求めて「彼の岸 2020」に土から携わっている醸し人達を紹介します。
金子敦司(1984年生まれ)
彼は2010年より黒田庄で山田錦栽培に携わる弊社の山田錦育成の責任者です。
大学は東京農業大学農学部農学科に進学。
農学科は間口が広く、作物、野菜、花、果樹、昆虫、土壌、遺伝、キノコ、微生物etc.
その中で植物病理学(微生物)を専攻しました。
そこで宴会部長だった自分は教授に気に入られ、萬乗醸造を紹介してもらい、2007年萬乗醸造に入社しました。
もともとお付き合いがあった黒田庄山田錦部会の農家さんと年に数回話す機会がありました。
そこで「金子君はどんな山田錦が欲しいの?」と聞かれたときに即答できない自分がいました。
「どんな山田錦が日本酒に適していて、自分たちが求める山田錦はどんな山田錦なのか?」
「その栽培方法とは?」
日本酒造りに携わる者として恥ずかしく思ったことを覚えています。
また、山田錦を作る後継者がいないことも事実で、十年後には原料の山田錦を作る人がいなくなるのではという危機感を感じていました。
〈つづく〉
- 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。
- スペースキーを押してから矢印キーを押して選択します。