Episode 31 播種(種まき)① – LA CAVE de Kuheiji|九平次公式ショップ
2024-12-31 01:44

Episode 31 播種(種まき)①

前回まで田圃の土の話をしてきました。田植えに向けて土の準備と並行して稲の準備も行っていきます。田植えの日を起点として、そこから逆算して土と稲の準備を進めます。田圃が苗を植えられる状態になったタイミングで苗も植えられる状態になっていなければなりません。田植えの日は稲刈りの日取りを目安に逆算して決めます。稲刈りの時期がここと見当をつけそこから田植え、播種と逆算して日程を組んでいきます。

稲の苗作りは種を播いてからおよそ25日間かかります。横30cm縦60cmの苗箱に吸水させた山田錦の種を蒔いていきます。この際、栄養は最小限で留めます。それは私達が「茎が強い丈夫な体」を目指しているからです。栄養が多ければ茎が増えてしまい、少なければ苗自体が細く弱ってしまいます。

皆で手分けして苗箱を苗代田に二列に並べていきます。並べ終わったら苗箱の両端を耕します。この土でビニールシートを支え、水の通る溝を造ります。そして、鳥達に食べられないよう、苗箱の上にビニールシートを被せていきます。ビニールシートには他にも直射日光によって発芽したての芽の日焼けや低温から守る役目があります。ビニールシートを被せ終えたら苗代田に水を入れていきます。この際に先ほど作った溝に水が入っていきます。

発芽に必要なのは水と温度です。苗代田の水は山から来ているため水温は低めです。この水によって温度も管理します。ここでも水の管理が重要となってくるのです。