Episode 4 一粒が重い米を育てる
ぷっくりと太って中身の詰まった米。
それが私たちの理想とする米です。
米を育て出した2010年当初は、どんな米を生み出せば良いのか、判りませんでした。
「自分の手で育てたい」という思いばかりが強く、米をどう栽培したら良いかさえわかりませんでした。
「そもそも米ってなんだ?」
「米と言う植物は、どこから来たんだ?」
「ルーツは?」「歴史は?」
「日本の米に対するアイデンティティは?」
「日本人にとって、米の存在理由は?」
米の起源にまで、さかのぼり見つめ直す事から始めました。
原点に立ち帰ることで、今現在の当たり前に捉われずにトライしてきました。
前回お話ししましたが、一年に一度の栽培でトライ出来ることは限られます。
限られた条件で毎年試行錯誤を繰り返し、私たちの目指す米を栽培できる最適な条件を探し続けました。
そしてたどり着いたのは、植え付けの間隔を空ける栽培方法でした。
間隔を空けることで稲同士が密にならず日照時間が増えます。
風がよく通るようになり、病害虫の被害が減ります。
そして稲が活発に活動することで、強い体となり、栄養を蓄える状態になるのです。
結果、私たちが求める重い米が育ちます。
そこには当たり前という覆いを剥がした先にある日本酒で思い描く姿(=ゴール)がありました。
今では少なからず「米に新しい光を当ててやることが、できている。」
そういう自負が芽生えてきています。
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