Episode 40 出穂、そして開花 – LA CAVE de Kuheiji|九平次公式ショップ
2024-05-07 01:19

Episode 40 出穂、そして開花

八月下旬、いよいよ出穂です。出穂とは、その文字の通り穂が出ることを指します。田圃一面に穂が出揃う景色は非常に美しいものです。それと同時に刈取りまでを思い、改めて気持ちが引き締まります。

出穂後、稲は葉で光合成をしてブドウ糖を生産し、それを穂に送り込んで溜めます。これが、私たちの酒の原料となる米になります。出穂後の気象条件が酒の原料としてのポテンシャルに対して最も重要となってくるのですが、それについては次回お話しします。

稲は午前中、それも日の出からおよそ二時間ほどの間に清楚な花を咲かせます。稲の花を見たことがある人は少ないのではないでしょうか?稲は穂を出すとすぐに開花し、受粉します。稲の花には花びらがありません。まだ緑色の籾のカバーが開き、雄しべが伸びてきます。雄しべの花粉が風に運ばれて、雌しべに受粉し、その後、緑色の籾のカバーを閉じます。当然開花期に風が強すぎると受粉出来ない籾が多くなってしまいます。受粉後7~10日間で、葉の光合成で造られた栄養分を籾に蓄積し始めます。いよいよ、籾に米を蓄える段階となります。